声が聞こえる。 誰かが呼ぶ声が……。 「聞こえ……か、…おい、……なぁ!」 意識が段々とクリアになってくる。 「おいっ!聞こえているか、女ぁ?」 そのはっきりとした声に目を覚ませば漆黒の瞳が飛び込んできた。 あまりの至近距離に慌てて離れようとしたけど身体は動かなかった。 「動くな!お前の足はまだ瓦礫の下に挟まれたままだ。」 そう言われて足の方に目を向けたけどよく見えなかった。 けど、足がじわじわと痛みを訴えているのがわかる。 もう一度彼に視線を戻して何が起きたのかを聞こうとした。 「………。」 口は開くけど声にならない。 どうやら喉も痛めてるみたい。 なんで?何があったの? いきなり不安になって、彼が支えてくれている手をぎゅっと握った。 それで全てを理解したかの様に彼が話し始めた。 「お前は爆発に巻き込まれたんだ。覚えているか?」 ………そうだ!思い出したっ!! シャトルから降りてロビーを歩いてたらいきなりドカンって音がして……。 建物が崩れていくのをスローモーションで見たのが最後の記憶。 そこまで思い出してもう一度彼を見た。 よく見るとどこかの制服を着ている。 レスキューの人かな? そんなことを考えていたら彼が口を開いた。 「少し我慢しろ。」 そう言うなり、足が軽くなった。 それと同時に襲ってくる激痛。 瓦礫に挟まれていた足が漸く開放されて自由になった。 「五飛!そっちは大丈夫か?」 「ああ。」 「じゃ、早く行こうぜ!ここももうヤバイ。」 「わかった。」 この人五飛っていうんだ。 もう一人の三つ網の人は同じレスキューの人かな? そんな事を一人考えながら五飛の事を見た。 「これから病院に向かう。」 それだけ言っていきなり抱き上げられた。 お姫様抱っこなんて今までしてもらったことがない。 恥ずかしくて何か言いたいのに言葉が出てこない。 でも聞こえてくる彼の鼓動が生きてることを実感させてくれる……。 (なんだかとっても気持ちいい) その心臓の鼓動とふわふわ歩く感覚に眠気が一気に襲ってくる。 もう安心なんだ……そう思って瞼を閉じれば意識が遠のいていく。 「よく頑張ったな。」 そんな声がどこか近くで聞こえた。 意識を失う瞬間、おでこに何か暖かい温もりが触れた気がした……。 あとがき |